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比較級・最上級の2種類の形について

Q:英語の比較級・最上級はなぜそれぞれ2種類の表現方法があるのですか?どちらかに統一すればいいのに。

A:確かに、形容詞や副詞の比較級には、単語の末尾に-er をつけた形と、単語の前に more を置く形がありますね。そして最上級は -est、most を置く形がありますね。中学校や高校ではこれらの使い分けについての原則として、3音節以上の単語は more / most と習うことがあります。もちろんこの他にもいくつかルールがあり、すぐにどういうルールか思い出せる人もいることでしょう。これらに加え、good - better - best のように、不規則な変化を行うものもありますね。

英語という言語は時代ごとに他の民族・言語との接触により、いろいろと変化してきています。英語の歴史については機会を改めて紹介しますが、比較級・最上級を表す2種類の形のうち、単語の末尾に -er / -est をつける形は、10世紀頃までの「古英語」と呼ばれる時代から、本来的に英語で使われてきた表現方法です。一方、形容詞や副詞の前に more / most をつける方法は、13世紀にフランス語の影響を受けて新しく発達してできた形です。

このような事実は学習者の皆さんが一般的に目にする英文法書からすればあまりにも専門的すぎることですので、ほとんど扱われることがないようですね。私の手元にある日本語で書かれた英文法書では、安藤貞雄『現代英文法講義』という945ページもある大きな文法書でのみ、歴史的な経緯も含めた説明が書かれているのを見つけました。これ以外にも何冊も分厚い英文法書を所有していますが、説明されているとしても、前者を指す「屈折比較変化」、後者を指す「迂言比較変化」という用語が書かれている程度のものばかりでした。

実際にはこういう使い分けにも歴史的ないきさつがあったわけです。言葉は時代が経つにつれ、徐々に変化していきます。日本語の「ら抜き言葉」のように、次第に規範的な使い方と異なる用法が広まっていくこともあります。「ら抜き言葉」が生じた理由には合理的に説明できる部分がありますが、英語の比較級・最上級について言えば、わざわざこれらを統一するほどの必要性は、英語話者自身も持ち合わせていないように思います。

ついでながら新しい単語などで -er / -est と more / most のどちらもつけることが出来るというような場合では、英語では more / most をつける形の方が好まれるようです。

ちなみに good - better - best などや、品詞は異なりますが go - went - gone など、一般的には不規則変化と呼ばれるものも、歴史的あるいは語源的に見ると結構すっきりと説明できることもあったりします。また別の機会に紹介しましょう。
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