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Nintendo DSの英語学習ソフト

Q:Nintendo DSで英語を鍛えるゲームがありますが、そういうのをやったらうまくなるでしょうか。

A:私も以前10本ほど買い揃えました。その中には英語力を伸ばすのに有益なソフトもあると考えますが、よく売れているソフトウェアでも文字認識で不備がある場合があり、解答入力が誤っていても正しい文字と認識され、正解となってしまうケースがあるようです。

私の場合は2006年発売のNintendo DS Liteを利用していますので、ひょっとすると現在発売されている機種では文字認識などが改善されているのかもしれませんが、今でも新しいソフトを購入したときの封入チラシ等でも宣伝されている「英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け」「同 もっとえいご漬け」の場合、手書きで入力した文字の o が a や e と認識されてしまうようなことが頻繁に起こるようです(私の書き方もまずいのかもしれませんが)。しかし聞こえてきた英文を書き取り、分からないところはヒントを表示させながら学習し、間違えた問題だけを繰り返し学習することができるという利点がありますので、学習を効果的に行うことができることは間違いないでしょう。

一方で、こんな練習、わざわざDSの小さい画面上でしなくても良いのに、と感じたソフトもありました。例えば「TOEIC TEST DSトレーニング」というソフトの場合、TOEIC Part 6 や Part 7の問題のように、どちらかと言えば広い範囲の英文を読んで問題に解答する必要性がある場合でも、画面サイズの制約から幅広い範囲を見渡すにはスクロールしなければならず、却って集中力が途切れるような気がしました。しかしこのソフトの場合でも、移動中に気軽にTOEIC対策が出来るという利点はありますし、英語の書き取りゲームの機能や、語彙力を強化するための単語集データなどがありますので、これらを利用した学習を移動中などのちょっとした時間などに気軽に勉強できるという利点があります。

いずれにしてもゲーム感覚で勉強することに興味がある人は、試してみる価値はあると思います。でも書籍を使った方がはるかに学習効率が高い場合もあります。DSの画面上ではマーカーを引いたり、関連語を書き留めたりするなどの作業はできませんから。私自身は総合的に考えた場合は、プリントや書籍など、紙媒体の方が勉強しやすいと考えていますが、時間の使い方や道具の使い方も含め、皆さん自身に最適な勉強方法を見つけ出して下さい。

なお、大阪工業大学の大宮キャンパスの学生諸君で、私の所有する英語学習ソフトを試してみたいという方は相談して下さい。貸出は行いませんが、DS本体を持ってきていただければ私の研究室内で試用できるように準備します。(普段は自宅に置いていますので、試用を希望する場合は事前に連絡して下さい。相談当日の利用はできません。)所有しているソフトは上記3本の他「中学英単語ターゲット1800DS」「英単語ターゲット1900DS」「アルクの10分間英語マスター初級」「同 中級」「同 上級」「英検王3級」「NOVAうさぎのゲームde留学!?」の計10本です。2007年頃に買いそろえましたので、古いソフトしかありませんが、もしも新しいソフトでも試用希望者がいれば購入するかもしれません。

英語での語呂合わせ記憶術

Q:英語にも語呂合わせで何かを暗記するという方法はあるのですか?

A:私自身もこれについてはほとんど知らなかったのですが、最近『英語のニーモニック ~円周率から歴史年号・イギリス王室まで 覚え歌大集合』(友清理士 著、研究社)という書籍を読み、英語にもいろいろな記憶術のための方法があることを知りました。ただし日本語での「語呂合わせ」とはかなり性質が違うものが多く、また日本では歴史年号などに含まれる数字の暗記などに使われるような方法は英語では全く使われることがないようです。

この本のタイトルにもなっている「ニーモニック」はmnemonicsという綴りで、記憶術という意味です。そしてこの単語を手がかりに英語版Wikipediaを調べてみたところ、いろいろな記憶術が書かれていました。(ちなみに日本語版Wikipediaでの「記憶術」の記事も何かと参考になるかもしれません。)例えば上述の書籍でも紹介されていますが、虹の七色を意味する Red, Orange, Yellow, Green, Blue, Indigo, Violet を覚えるために、Roy G. Biv というような人名のような形にして覚えるという方法が書かれています。でもこれは語呂合わせではなく、頭文字をつなげるというような暗記法ですね。

日本語の場合、語呂合わせによる記憶術は「数字の暗記」「専門用語」などで利用されることになりますが、英語ではいずれも「語呂」で表すことは難しいようです。数字の暗記の場合は、その数字を文字数に置き換えたものが定番のようで、例えば円周率を3.1415926まで覚えるための May I have a large container of coffee? があり、May (3) I (1) have (4) a (1) large (5) container (9) of (2) coffee(6) のように、各単語の文字数で覚えることができます。

専門用語などの記憶術について、上述の書籍で一番多く扱われている記憶術は、頭文字を単純につづけるのでなく各文字で始まる語を並べて文にしたもの、つまり日本語では頭字文や折句と呼ばれるものでした。この中から個人的に一番気に入ったものを紹介しましょう。

Father Charles Goes Down And Ends Battle. (神父チャールズは向こうへ行って争いを終わらせる)

また、アポストロフィーを1つ入れなければなりませんが、これを逆順に並べた以下の文も、きちんと意味の通る英文で、かつ記憶する意味のある内容になります。

Battle Ends And Down Goes Charles' Father. (戦いが終わり、チャールズの父は向こうへ行く)

これは楽譜でシャープ/フラットをつける順番を覚えるためのものです。日本語なら「ファドソレラミシ」の順番にシャープの数が増えて行き、また「シミラレソドファ」の順番にフラットの数を増やして行くのですが、この音名をアルファベットに置き換えると、それぞれがこれらの頭字文として読み取れます。頭字文だからこその特徴ですが、無味乾燥な「ファドソレラミシ」のように覚えるよりも遥かに効率が良さそうですね。

この書籍の著者のウェブページには目次関連リンク集がありますので、こちらもご覧下さい。

アメリカ人が太る理由

Q:アメリカ人は体調管理に興味はないんですか?あんなにぶくぶく太って。

A:全てのアメリカ人が肥満体型というわけではありませんので、やや偏見のようなところがあるような気もしますが、確かに「事典現代のアメリカ」などを見ても、アメリカでは人口の半分以上が太り過ぎと判断されると書かれています。

『肥満の拡大について警鐘を鳴らす民間団体「アメリカ肥満協会」(American Obesity Association)は「肥満はいまや流行病となった。肥満は年30万人の死亡原因となり,避けうる死因の第2位となっている。肥満のため米国が負担するコストは1,400億ドルにのぼる」という。』(同書 83.A (1) より引用)

また、19世紀後半以降のアメリカのライフスタイルと食の変化についても紹介されており、全国鉄道網の完成による全国市場の成立、車社会に適した食べ物の流行、缶詰や冷凍食品の開発による女性の家事労働からの解放などにより「豊かな社会」の食生活が発展したことが肥満に繋がっていることを指摘しています。そしてアメリカ人が太り続ける理由は「たくさん食べて動かない」ことであると述べられています。

ここまでで記した内容は比較的多くの日本人でも見聞きしたことのあるアメリカ人の姿なのかもしれませんが、一方で堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ』は、アメリカ人の肥満について別の視点から国の政策を批判しています。すなわち「貧困児童に肥満児が多い」という論点です。

ニューヨーク州では貧困ライン以下の家庭には食料交換クーポン(フードスタンプ)が配布される。これを握りしめてスーパーマーケットに食料の買い出しに行った彼らが何を買うか。

この続きは是非とも堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ』で読んでみて下さい。私自身もこのような事実は全く知りませんでしたので、とてもショックを受けました。

しかし実際にはアメリカ国内でもこのような事実に気づいていない「金持ち」がいることの方が「ずっと怖い」とも述べられています。

チョコレートサンデーのサンデーとは

Q:チョコレートサンデーと日曜日のサンデーは関係がありますか?

A:チョコレートサンデーのサンデーの綴りはSundae、日曜日はSundayですが、関係があると言えばある、ないと言えばないことになるでしょう。

まずはジーニアス英和辞典を見てましょう。Sundaeの欄には「果物・ナッツなどをのせシロップをかけたアイスクリーム」と書かれています。これだけではSundayとの繋がりは見えてきませんね。そこでこのブログでもおなじみ、三省堂の英語語義語源辞典を調べてみます。さすがに語源辞典と謳っているだけあって、この辞書を見れば、きちんと「Sundayの変形.日曜日に売れ残ったアイスクリームのことと考えられるが詳細は不明.19世紀から.」と書かれています。

これでこの記事も説明終了、それでは皆さんまた明日、としても良いのですが、せっかくですからもう一歩踏み込んで考えてみましょう。というよりもいきなり語源辞典の最高峰に触れることになるのですが、英単語の語源を調べるには最終的にはこれ、むしろこの辞書を見ないで語源を語ることはできないと言っても過言ではない辞書があります。このブログでも語源の話は頻繁に出していますが、これまではほとんどこの辞書を参考にはしていませんでした。ある意味、手抜きということになります。

その辞書の名前は「オックスフォード英語辞典」(Oxford English Dictionary、略称OED)です。初版刊行は1928年、収録語数約29万語、小見出しその他も含めると61万5千語…と説明してもイメージしにくいですね。これがどういう辞書なのか、画像で見てもらえれば一目瞭然。非常に有名な辞書ですので、Googleイメージ検索で探したらすぐに見つかります。こういう辞書です。Wikipediaでの説明はこちらにあります。

要するに本体だけで20巻にもなる辞書ですが、Wikipediaから説明を引用しますと「古今東西の英語の文献に現れたすべての語彙について、語形とその変化・語源・文献初出年代・文献上の用例の列挙・厳密な語義区分とその変化に関する最も包括的な記述を行うことをその特長とする」という、とんでもない辞書です。20巻を書棚に並べると壮観ですが、今は5万円弱ほどでCD-ROMでも手に入ります。もちろん中身は英語で書かれています。

さて、ジーニアス英和辞典ではわずか1行、英語語義語源辞典では語義/語源の両方を合わせて4行だったSundaeの説明ですが、OEDで調べてみますと、書籍版のOEDでは36行にも渡って説明が書かれています。

この中身をかいつまんで説明しますと、やはり英語語義語源辞典に書かれているように、語源は不詳、新しい商品名または造語として、いくつか異なる語源説がある、一般的にはSundayの変形と説明される、月曜日に安く売られる残り物のアイスクリームが使われた商品、Sundayという語の持つ宗教的な意味合いへの敬意から綴りの一部が変更されたと言われている、というようなことが書かれています。また、その他の語源説の書かれている書籍のタイトルと発行年、ページ番号が書かれています。

さらに、上述のWikipediaの説明にもあるように、文献として残っている中でSundaeという単語が使われた最初の年代が記されており、この単語で言えば1897年、1904年、1910年、1927年、1951年、1970年に使われた例が出典とともに記されています。この中でも特に注目に値するのは、1904年5月21日のNew York Evening Postという「新聞記事」にレシピが書かれていたという事実まではっきり知ることが出来ます。

もちろんこれよりも古い時代にもこの単語が使われていることは予想されますが、初版刊行が1928年だったとしても、そこから30年以上も遡るレシピを見つけてくるという辞書作成にボランティアで携わった方々の努力が、今の時代に伝わっていることがよく分かります。

この辞書は英語学習者全てが参照するようなものではありませんが、大学図書館等でもし見かけることがあったら、適当に中身を開いてみて膨大な情報量と辞書編纂者の努力に思いを馳せてみて下さい。

比較級・最上級の2種類の形について

Q:英語の比較級・最上級はなぜそれぞれ2種類の表現方法があるのですか?どちらかに統一すればいいのに。

A:確かに、形容詞や副詞の比較級には、単語の末尾に-er をつけた形と、単語の前に more を置く形がありますね。そして最上級は -est、most を置く形がありますね。中学校や高校ではこれらの使い分けについての原則として、3音節以上の単語は more / most と習うことがあります。もちろんこの他にもいくつかルールがあり、すぐにどういうルールか思い出せる人もいることでしょう。これらに加え、good - better - best のように、不規則な変化を行うものもありますね。

英語という言語は時代ごとに他の民族・言語との接触により、いろいろと変化してきています。英語の歴史については機会を改めて紹介しますが、比較級・最上級を表す2種類の形のうち、単語の末尾に -er / -est をつける形は、10世紀頃までの「古英語」と呼ばれる時代から、本来的に英語で使われてきた表現方法です。一方、形容詞や副詞の前に more / most をつける方法は、13世紀にフランス語の影響を受けて新しく発達してできた形です。

このような事実は学習者の皆さんが一般的に目にする英文法書からすればあまりにも専門的すぎることですので、ほとんど扱われることがないようですね。私の手元にある日本語で書かれた英文法書では、安藤貞雄『現代英文法講義』という945ページもある大きな文法書でのみ、歴史的な経緯も含めた説明が書かれているのを見つけました。これ以外にも何冊も分厚い英文法書を所有していますが、説明されているとしても、前者を指す「屈折比較変化」、後者を指す「迂言比較変化」という用語が書かれている程度のものばかりでした。

実際にはこういう使い分けにも歴史的ないきさつがあったわけです。言葉は時代が経つにつれ、徐々に変化していきます。日本語の「ら抜き言葉」のように、次第に規範的な使い方と異なる用法が広まっていくこともあります。「ら抜き言葉」が生じた理由には合理的に説明できる部分がありますが、英語の比較級・最上級について言えば、わざわざこれらを統一するほどの必要性は、英語話者自身も持ち合わせていないように思います。

ついでながら新しい単語などで -er / -est と more / most のどちらもつけることが出来るというような場合では、英語では more / most をつける形の方が好まれるようです。

ちなみに good - better - best などや、品詞は異なりますが go - went - gone など、一般的には不規則変化と呼ばれるものも、歴史的あるいは語源的に見ると結構すっきりと説明できることもあったりします。また別の機会に紹介しましょう。

洋楽と英語のリスニング

Q:洋楽を聴くことで英語のリスニングの力は伸びますか?

A:よく尋ねられる質問ですね。私はこの質問に対しては「伸びる力もあれば、伸びない力もある。洋楽や洋画が必ずしも近道であるとは限らない。」と回答することにしています。

英語のリスニングだけでなく、英語力全般を伸ばすために洋楽が役に立つかどうか、ということも関心をもつ人が多いようですね。仮にこれらが役に立つのであれば、楽しみながら勉強ができるわけですから、一石二鳥ということになるでしょうから。しかし残念ながらそんなにうまい話ではないと考えます。

皆さんは英語力のどの部分を伸ばしたいのでしょうか。また、リスニングと一口に言っても、リスニングのために必要などの部分を伸ばしたいのでしょうか。誰もが楽して簡単に身につける方法を知りたがりますが、よく考えてみるとリスニング力そのものを伸ばすためにも、例えば個々の単語の発音と綴り字の関係、その単語の意味、複数の単語から成る意味の固まりがどのように発音されるか、文全体で見た場合のリズム(どこが強く読まれ、どこが弱く読まれるか)、文全体で見た場合のイントネーション(どこが相対的に高く読まれ、どこが相対的に低く読まれるか)…など、複数の練習目標を考えなければなりません。これらをまんべんなく学習して初めて英語のリスニング力になるわけですが、これらの全てが洋楽によって鍛えられるわけではありません。

さらには根本的な話として、仮に聞こえてくる英語音声の意味までを理解するという意味でのリスニング能力を身につけるのであれば、前から順番に聞こえてくる英語音声を順に頭の中で組み立てていくことも必要でしょうし、もっと言えば文字で読んで意味が理解できないものが聴いて理解できるわけがありません。歌詞カードに書かれている英文の意味は、対訳を見ずに全て理解できるでしょうか。

皆さんの好みはいろいろでしょうけど、ロックにせよポップスにせよ、歌詞とメロディーの組み合わせですから、これは自然な会話での英語音声とは全く性質が違います。誰もが歌いながら会話しているのであれば良いのですが、当然ながら現実はそうではありません。

仮に洋楽を聴きながら伸ばせる力があるとすれば、一つは英語のリズムをつかむことです。歌詞の中の単語のどの部分が音符の動きと一致しているかを観察することで、いわゆる単語のアクセントの位置がつかめる可能性があります。例えばカーペンターズのYesterday once more という曲の最初の一節では、When I was young I'd listen to the ra-di-o, waiting for my favorite so-----ng. の下線位置が4分の4拍子のメトロノームのリズムと一致します。(ちょっと無理のある表記ですが)そしてこれらは単語のアクセント位置をつかむ訓練になります。ただしここで利用価値があるのは、せいぜいI was young という一節では I と young が強く読まれる、listen や favorite という単語は最初の音節にアクセントがあるという程度でしょう。もちろんこのような知識はわざわざ洋楽を聴くまでもなく、皆さんもよく知っているはずです。その一方で、この下線を引いた中でも、話し言葉ではほとんどアクセントを置かれることがない to や for といった単語さえも、メロディと組み合わさった際にどうしても強く読まれてしまいます。

ここで示したのは極端な例かもしれませんが、洋楽を使った英語学習に慣れてしまうと、歌詞に出てくる単語でメロディラインと組み合わせた単語は強く読まれる、というような誤解をしてしまうかもしれません。つまり洋楽を聴くことで実際の話し言葉でのリズムをつかむためには悪影響を与えてしまうという解釈にも繋がると思います。

もちろんそうは言っても、洋楽が好きな人は多いと思います。そしてそれを生かして、伸ばせる力もあるはずです。メロディーが心地よければ歌詞カードの中身も見てみたくなるかもしれませんし、対訳を読むことで、なぜこの英語表現がこの日本語訳になるのか、というような観察をしていくと、これは文法の力をつけるためにも役に立つかもしれません。しかしこれは文法の力をつけるための最短ルートではありません。

一番良くないのは「英語が苦手だから洋楽でも聴いてみよう。そうしたらリスニングの力もつくかもしれない。」という短絡的な発想です。全く意味がないとは言いません。洋楽を聴いていく中で、英語への関心が沸くことだってあるでしょう。いずれにしてもこれも同様に最短ルートではなく、また逆に悪影響を与える可能性もあるということだけは理解しておいて下さい。

この記事では洋楽とリスニング学習の関連について、やや否定的に述べてきましたが、その一方で洋楽でしか身につけることができない英語力というものもあるはずです。これについては機会を改めて紹介することにしましょう。

co-workerのco-って何?

Q:co-worker の co- の部分は company の略語なのですか?

A:面白い解釈ですね。何となくだまされそうな気がしてしまいますが、残念ながら語源的には正しくありません。

英和辞典で co- / com- / con- などの欄を見ると、これらのどれか1つを参照するように書かれているはずです。これらは全て同じ単語に由来し、英語の接頭辞として用いられるときは、直後の文字に従って、これらの形も変化します。辞書によっては「共に」というような意味が書かれていることがありますが、元々はラテン語の前置詞 com に由来します。そしてこの単語の意味は、概ね英語の with と等しいと考えれば良いでしょう。

英語の単語で co- / com- / con- / col- / cor- などで始まる単語には、withの意味、あるいは「共に」といった意味を持つ単語があります。もちろん全てがそうであるわけではありません。

ところで、company という語は誰もが驚くような語源を持つ単語ですので、今日はこの単語についても掘り下げてみましょう。

もともとcompanyはフランス語、ラテン語に由来する単語ですが、これはcompanionという英単語とも共通の語源です。ただし注意が必要なのは、日本語で「コンパニオン」というと、催し物やパーティなどでの女性の接待係、博覧会や娯楽施設での案内係を指すことが一般的ですが、これは英語の意味にはありません。英語ではこれらは guideやattendantといいます。

ここでは「友人、仲間」という意味でのcompanionですが、実はこの単語の語源はラテン語で「一緒にパンを食べる人」という意味の単語なのです。つまりcom-が「一緒に」、-panionがラテン語のpanis「パン」という単語に由来するわけです。

皆さんも昼休みに一緒にパンを食べる仲間を見つけて下さい。きっと良い友達になれますよ。もちろん学食でうどんを食べる仲間でも何ら問題ありませんが。

vacuumの語源

Q:vacuumという語は他の語とはつづりの質が違うように見えます。由来が違うのですか?

A:確かにそういう印象がありますね。-uu-というように母音が2つ続くような英単語はさほど数があるわけではありません。

外国語学習関連書籍を多く出版しているアルク(オンラインの英語辞書の英辞郎でも有名ですね)が、英語の単語12,000語のレベル付けを行ったリストを公開しています。(ALC SVL: http://www.alc.co.jp/eng/vocab/svl/index.html)このリストの内容を全て連結した12,000語のリストが私の手元にあるのですが、これを使って同じ母音の連続が含まれる単語を探してみました。

まず、-aa-を含むのは12,000語中、わずか1語で、bazaar でした。-ii-も1件ですが、これはskiingでしたので例外と考えても良いでしょう。そして-uu-を含むのは、continuum と vacuum でした。確かに頻度としては少なそうですね。しかし-ee-は239件、-oo-は218件見つかりましたので、英語らしくない母音連続とは言えなさそうです。

skiingは例外とすると、英語らしく見えない単語として bazaar / continuum / vacuum が残りますが、これらはいずれも英語に伝わった外来語です。

まず bazaar は「バザール」というカタカナ語もありますが、イタリア語から初期近代英語に伝わった単語のようです。そのルーツをさらに遡ると、元は「市場」を意味するペルシャ語 bāzār がトルコ語を経てイタリア語に入ったとのことです。continuum は「分離できないものの連続(体)」という形式ばった語ですが、これも同様に初期近代英語に入った語です。ルーツはラテン語です。vacuum も同様にラテン語から初期近代英語に伝わった単語です。

どうやらこれらには初期近代英語という共通項がありますね。これは15世紀から16世紀にかけての英語を表す時代区分で、イギリスのルネッサンスの時代に当たります。この頃は古典語の研究が盛んでもあり、ラテン語やギリシャ語から主に学術語として多くの単語が借入されました。もちろんこれらが全て特殊な、英語らしくない綴りを持っているわけではなく、今の英単語の中に完全にとけ込んでいて、何の違和感もないような単語が多数あります。abolish / absolute / absurd / accident などがこの例です。

ちなみに、ちょうどこの頃には英語の綴りと発音が大きくずれてしまう大母音推移と呼ばれる現象も起こり、これが今でも皆さんを悩ませる「発音しない文字」「読めない綴り」「同じ綴りなのに違う音」などの原因にもなっているのですが、ちょっと専門的すぎますね。さらに言えば、現代英語では3人称単数の時だけ、現在形の動詞に変化形がありますが、この時代には2人称単数にも変化形がありました。

ちょっと難しいですが、Wikipedia で「初期近代英語」や「英語史」のページにもこういう話が書かれています。

(参考資料:英語語義語源辞典)

マクドナルドという名前は日本人が作った?

Q:日本では「マクドナルド」ですが、アメリカでは違う呼び方をしています。マクドナルドは日本人が勝手に作った呼び方なんですか?

A:確かにアメリカ英語の場合、無理矢理カタカナで表記すれば「ムッドーノーズ」「メッドーノーズ」のように聞こえることがありますね。英語での綴りはMcDonald'sとなります。

まずはちょっと余計な話ですが、なぜマクドナルドの綴りがMcDonaldのように、cだけが小文字になっているか分かりますか?日本マクドナルドの公式ウェブサイトでもこのように書かれています。

McDonald'sの最初のMcは、スコットランド系・アイルランド系の姓に付けられる接頭辞で、「~の息子」という意味があります。Mac-と書かれることもあります。ですからMcDonaldは元々は「ドナルド家の息子」という意味です。他にもMcがつく姓としてはMcCarthy、McCartney、McClellan、McGovern、McKinley、McMillan、McQueenなどがあります。(ジーニアス英和大辞典に有名人の姓として収録されているものからいくつかを抜粋しました)さらに、McDonald'sの最後の'sは「~の」という意味ですから、「ドナルド家の息子の家の」という意味にでもなることでしょう。

さて本題ですが、なぜMcDonald'sが「マクドナルド」となるのでしょうか。おそらく多くの人は、マクドナルドを英語で表記する際、McDonaldとしてしまい、語末の'sを忘れてしまうことでしょう。そもそも日本語の社名として考えた場合に「~家の」という感覚はあまりないでしょうから、とりあえず'sは外した形で考えることにします。

次に考えるのは日本語の音節の仕組みが英語と異なっている点です。発音練習などで、英語の単語の語末の子音にうっかり日本語の母音を付けて発音してしまって注意されたことはありませんか?日本語母語話者が英単語の発音をしようとするとどうしてもそうなってしまいますね。英語の場合、子音だけで発音しないといけない部分があることは日本語と大きく違う点ですね。

でもこれだけでは解決しない問題があります。それはなぜMcが「マク」になるのか、そしてDonaldの最後のldがなぜ「ルド」になるのかという問題です。当たり前のように見えて、実は当たり前ではありません。一方、DonaldのDonaという部分が「ドナ」になるのは比較的わかりやすいでしょう。つまりこれらの音には英語でも母音を伴っているからです。

英語に限らず、外国語を日本語に借用して日本語で表記する場合、元の言語にない母音を伴わない音、つまり子音だけで発音される音は、日本語に取り込む際に日本語の音節のルールに従って母音を添加しなければなりません。日本語は5母音ですから、可能性としては「ア・イ・ウ・エ・オ」のいずれが入ってもよいことになるはずです。つまり「ミケドナリダ」や「メカドナレデ」となっても良いはずです。しかし妙に変ですね。やはり原則は、聞こえてくる音と日本語の母音との類似性ということになるでしょう。でも聞こえてきた音をどのようにカタカナ表記するかは、ある意味日本人の「勝手な理由」です。

それが証拠に、同じMcDonald'sという社名は韓国では「mek/do/nal/du」という音のハングル文字で表記することになります。これを無理矢理カタカナにすれば「メクドナルドゥ」ですね。このような音が韓国語との相性が良いのです。

ちなみに、この母音添加という現象を言語学的に説明するには、極めて煩雑な手続きが必要になりますが、かなりいろいろなルールがあることが分かっています。例えば英語から日本語への借用の場合、日本語の音節にそろえるには原則として「ウ」の音が添加されます。ただしその例外として t と d の後は「オ」の音が添加されるというようなルールです。まだまだ他にも様々なルールがありますが、専門的すぎるのも何ですから今日はこのへんで。

news の語源は?

Q:ニュースは N:「北」E:「東」W:「西」S:「南」から来ていると聞きました。本当ですか?

A:語源的には単なるこじつけです。こういうものを民間語源という呼び方をすることもありますね。

英語語義語源辞典では news の語源は以下のように書かれています。

「新しい」の意の中英語の形容詞 neue の複数形 neues から.15世紀頃から用いられている.なおこの形は古フランス語の novele の複数形 noveles、または「新しいもの」の意の中世ラテン語 novum の複数形 nova をなぞってできたものともいわれている.

語源辞典に特有の書き方がされていて、あまりこういう記述に慣れていない人にはちんぷんかんぷんなのかもしれませんね。簡単に専門用語をなぞっておきますと、中英語とは1100-1500年の英語を指します。これは1066年のイギリスへのノルマン人侵略がきっかけとなって、フランス語が大量に英語に伝わった後の時代の英語のことを指します。つまりそれ以前のフランス語が古フランス語ということになりますね。中世ラテン語とは、ほぼ同じ時期にヨーロッパのカトリック教会で書き言葉として用いられた言語です。

日本語にも古代の仏教教典などと共に伝来した漢字語彙が多数ありますが、これらはもはや外来語として扱うことがないように、英語の場合も中英語の時期のものはもはや外来語とは言えません。

少々脱線してしまったようです。では、North / East / West / South の語源はどうでしょうか。実はこれらは全て、中英語の前の段階である、古英語と呼ばれる時代、あるいはその前のゲルマン語の時代からあったものです。大体想像がつくと思いますが、方位を表す単語は当然ながら大昔でも人々の生活とも何かと関係がありますよね。Eastは「日の出」、Westは「日没」を表す古い単語に由来しています。

ついでながらもう一つ脱線しますが、世界の言語の中には「右」「左」という表現がないという言語があります。一体どういう仕組みでしょうか。こういう言語についてもいずれ紹介することにしましょう。
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神谷 健一
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