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なぜ「複雑な」という意味のcomplexが「劣等感」になる?

Q:complexという語は「複雑な」という意味ですが、どこから「劣等感」っていう意味ができたのですか?

A:おそらく「劣等感」という意味で用いる inferiority complex の後ろだけを日本人が勝手に切り離して使って、そのまま「コンプレックス」というカタカナ語で定着してしまったのではないかと思います。つまり「劣等感」=「コンプレックス」は、一種の和製英語です。

もともと complex という語はスイスの心理学者ユングが専門用語として最初に用いたようです。手元のカタカナ語辞典によると、精神分析用語としての「コンプレックス」という語は大正時代から日本語で使われており、「複合観念、心の中のしこり、抑圧されて無意識のうちにひそむ感情」という意味でした。同様に上述の「インフェリオリティ・コンプレックス」も大正時代に日本語に入ってきたようで、精神分析用語で「劣等複合、劣等感コンプレックス、他人と比較して劣っていると感じる心理」を表したようです。

私は心理学は概論の入門の入り口(?)をかじった程度ですから、どういう背景で complex が心理学用語に入っていったかは分かりません。しかしこういうときは語源を見ると何かと参考になるものです。語源を知ることで、英語話者がそれぞれの単語をどのように捉えているかがよく分かりますし、ある一つの語が、ある状況を表す適語として専門用語に取り入れられることは珍しくありません。

complex は「他の物と一緒に折りたたまれた」という意味のラテン語の単語から英語に入ってきました。このような意味の単語ですから、パッと見たときに入り組んでいてわからない、というところから「複雑な」という意味が生まれ、後に「複合体、合成物」という用語にもなったわけです。あるいは現代では「総合施設、合同建造物」などの意味でも用いられます。確かに「いろんなものが一つにまとまっている」という意味がよく現れています。そしておそらく心理学でも同様に「異常な行動を引き起こす複合感情」というようなところから、inferiority complex という語が作られ、それを我々が勝手に後ろだけ採ってカタカナ語として使っているというわけです。

word processor が「ワープロ」になったように、昔の人がinferiority complex を「インコン」とでも省略してくれていたら、まだそれほど混乱は起こらなかったんですけど(笑)
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